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青い顔の助手が口を開きかけた時、その後ろからドシンドシンと小沢が歩いてきた。暗闇の中から現れた巨体は殊更不気味である。
助手はその瞬間ぐっと息をのみ、なんと探偵の背後に回った。
「おや?日間野じゃあないか!それに……すまん、誰だ。藤堂だったかな」
「二豪壱花です。……それより先生」
壱花はずかずかと小沢に歩み寄り、探偵の背後に回っていた助手の後ろ襟をひっつかみ前に突き出した。
「……!」
「この子、晴山君に、一体なにしたんですか!答えてください!」
ぶんぶんと首を横に振る晴山。しかし壱花は強く小沢を睨みつけたまま、無言で回答を求めた。
小沢は目を丸くしたが、なんと視線を斜め下にそらし……まるで恥じらう乙女のようにぽっと頬を朱に染めた。
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