その探偵達、怪奇座談会

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稲妻が光り、雷鳴が轟く。 天気予報では予想されていなかったにも関わらず、急な大雨が降り出したおかげで、野外で行われていた部活動は中止になった。 『全校生徒の皆さん、突然の天候悪化の為今日の野外での活動は全て中止となりました。更に天候が崩れる危険がありますので、部活動や委員会などの無い人は、速やかに下校してください。繰り返します……』 校内放送が流れている間にもゴロゴロと雷が唸り、早く帰れとせき立てるかのようだ。 この放送を当然、例の空き教室の者達も聞いていた。 「……ですって、日間野さん。今日どうします?」 壱花がまず探偵に尋ねた。 「んー、帰るのめんどくさいよね。なんで突然降り出すかなあ」 探偵は湿気でペタペタした机に頬をくっつけ、気だるげに答えた。 「あの、そうじゃなくて、今日の部活動はどうしますかって聞いたんですけど」 「ああ~。帰るのめんどくさいからねー、雨止むまでみんなでジェンガでもしよっかあ」 「え~と、すいません、イヤです」 「まじで~」 「ていうか、晴山君来てないですし……もしかして既に帰」 と壱花が言いかけたところで重い扉がいつになく豪快に開いた。 探偵達は驚いて入り口に注目した。
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