東京どん底篇 片道切符

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 97年の5月は僕のこれまでの34年の人生の中で、どん底の時期だった。本気で死のうと思ったのはこの時が初めてだ。  僕は21歳だった。  そして、何者でもなかった。  ここで、どん底に陥るまでのプロセスをおさらいしておく。  大学を中退し、一人暮らしをスタートさせた僕は、職探しをしながらも、無職の状態で、4月19日に21歳になった。  そして、その4日後の23日に新宿でキャッチセールスに遭う。  商品は自己啓発セミナーだった。
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