I have you.

１

「凛、もう二人だけの世界で暮らしましょうよ。」

おいらの彼氏、晴にそう言われたときはその言葉の意味が上手く理解出来なくて頷いておくしかなかった。

「凛、愛してる。」

何度も何度もその言葉。いい加減聞き飽きてきたかも知れないかな。いや、嘘、嘘だよ、ふふ。こんなこと言ったら晴に怒られちゃうからね。それにおいらだって晴のこと愛してるもん。

「ありがとう。」

深い深い、晴の口の中。もうおいら、きっと晴から離れられない。死ぬまでずっと晴と一緒にいるんじゃないかな。

狭い狭い、晴の体の中に入り込むおいらは、閉じ込められているとも知らずにその中で幸せそうに笑ってた。いつか出ようと思っても出る機会は見つからずに、ずっとその中で笑って、笑って。

「凛は俺だけが好きなんだよね」

「うん、そうだよ。」

「蜜さん達とはもう話さないよね。」

「…………っ、え？」

「ね？」

「……ちょっ、と待ってよ…晴っ…」

「ね！？」

ビクリ、と肩が大きく揺れた。泣きそうだけど、泣かないの。だっておいらが泣いたら晴が傷付くから、泣かない。涙を殺しておいらはまたさっきみたいに頷いた。

晴にとっておいらは恋人。
晴はおいらを愛してくれてる。
こんな束縛だってきっとおいらを愛してくれているから。そう思ってずっとおいらを励ましてきた。

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