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今日からずっとここに一人でいなくちゃならないのに、心細くて涙が出てきそう。泣いちゃだめだよ、晴に怒られちゃう。
晴がいなくてもそう思っちゃうのはやっぱり晴の存在が大きいからかなぁ、なんて。
“ババアの乳首かよ!ババア…”
蜜くんからだ。
「うっそ、マジで!?凛くん大丈夫だと思ったからもう店の予約とっちゃったんだけど…4人分で…。まぁ、しょうがないか。ごめんね?」
申し訳ない気持ちで心がいっぱいになった。ここで泣いても、誰もいないんだ…晴に怒られないし、蜜くんに慰められないし、つばちゃんに笑わせてもらえないし、咲くんに頭撫でてもらえない。
一人ぼっちなんだよ。
“じゃぁ見ない、じゃぁ見ない、じゃぁ見ない、じゃぁ見ない”
蜜くんから、電話だ…。出ちゃだめだよね、さすがに電話だもん。だけどね、一人でいるのは寂しいから。だって、別に電話に出たって着信服歴消して、蜜くんに口止めすれば晴に怒られないですむわけだし。
だけど晴との約束……。
“じゃぁ見ない、じゃぁ見ない、じゃ…”
「…っ、もしもし……」
「あ、凛くーん?どうしても来れない?なんかほかのメンバーも来れないみたいで…。あそこの店ね、お得な店で今日行かないと勿体ないからさ。凛くん行こうよー、お願いーっ…」
「………っ、ふぇ……」
「!?り、凛く……」
「来て、っ、来て?今おいら晴んちにいるっ、か、ら…っ」
久しぶりに聞いたの、蜜くんの声。寂しかったからもう我慢の限界で…おいらってこんなに弱かったんだなぁって実感した。
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