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「あっ……だめっ!」
自分でもびっくりした。こんな大きな声出そうだなんて思ってなかったから。どうしよ、折角蜜くんおいらのために来てくれたのに…帰っちゃう…やだ…。
「ご、ごめん…」
落ち込んじゃった、蜜くん。
違うのに、蜜くんが悪いわけじゃないのに、おいらが悪いのに。
晴との約束も守れないで、晴を裏切るようにして蜜くんのこと家に呼んでさ、こんな態度になっちゃって。おいら、ばっかじゃないの?…最悪だ。
「俺ずっと思ってたんだけど、最近凛くん無理してない?」
「………え?」
「それとこの約束って、関係あったりするの?」
蜜くんは頭いいから、隠し事できないかも知れない。けどそしたら、きっと晴に言っちゃうかも知れないから、
「な、なに言ってんの。おいらいつもとおな「嘘つかないで?」
なんで、分かっちゃうんだろ。
「俺を頼ってよ、」
蜜くんの目に、おいらの頭は混乱する。唇が震えて、もうこれ以上嘘つく余裕がないなって思ったら、
「は、は…は、るがっ……」
「ん?」
「もう蜜くん達と話すなって……」
一滴の雫が、床に落ちた。
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