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「え、……え?」
蜜くんの大きい目が、もっと大きくなった。さっきまでの冷静な表情がなくなって、心配してくれてる表情に変わった。
そしたら、止まらなくなって。
「いきなりっ、怒鳴られて…っ」
「暴力は?」
「……え?」
「殴られたり、叩かれたり、蹴られたり……してない?」
「されて、ない……」
「時間の問題かも知れないな」
蜜くんの一つ一つの言葉が重みを増して、おいらの心を圧倒した。晴に暴力を振るわれたことは1回もないのに…。
「でもね、それは昨日初めて言われた言葉で、海外に行って離れちゃうから不安だったからだよ、きっと…」
「じゃぁ、今日のこと内緒にしないとね…。」
「ごめんね…蜜くん……」
「なぁんで凛くんが謝んの!」
いつもの笑顔だ、やっぱり蜜くんといると安心するなぁ…。
蜜くんに教えてしまった。
けどきっと蜜くんなら大丈夫。
蜜くんと一緒にいると楽しくて安心しちゃったんだ。だからきっとこんなことになっちゃったんだと思う。気が抜けて、晴がいないときに約束破っちゃったから…っ。
着信服歴や、受信データを消すことを、忘れちゃったんだ。
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