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今だってそう。
君はあたしより少し前を、足早に歩いていく。
あたしは何時だってその後姿を眺めて。
「…っくしゅん!!」
またくしゃみしてる。
猫背になってる背中に走りよって、巻いていたマフラーを首にかける。
突然包まれた温もりに驚いたのか、君はしげしげとマフラーを見つめて。
「風邪引くよ?それ、してなよ」
いつものように微笑むと、君は少し赤くなって。
「バカ、お前が風邪ひくっつーの」
なんてぶっきらぼうに言いながら、マフラーを首から外す。
「あたしは大丈夫だから。ね?」
ほら、厚着してるし。
なんて微笑んで。
君の手からマフラーを受け取り、再び首に巻いてあげると、大人しくそこに顔を埋める。
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