ウソツキ

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さっきアイツが自販機で買ってくれた、左手に握られたままの缶コーヒー。 そっと両手で包みこんでみたら。 そこにはもう、温もりなんて残ってなくて。 “まるで俺たちみたいじゃん。” そう思ったら、視界が滲んだ。 ずっとずっと好きだったのに。 この気持ちは変わらないんだろうって、そう思ってたのに。 気付いたら、他の誰かに奪われて。 ホント俺、情けなさすぎ。 滲んだままの視界で空を見上げたら。 そこには、涙みたいな流れ星。 願い事は一つしかないのに、それはもう叶わない。
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