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「これ下さい」
僕は『特盛りチキンパック』と書かれたものを指差した。
トレイを受け取って上の階に行くと、嬉しいことに席はガラガラだった。お昼時はとっくに過ぎているからだろうか。僕は奥の席に座ると、かごから鳥もどきを出した。
「これが至高の料理だ!よく味わって食えよ!」
「おお!なんか見たことのない食べ物だがうまそうだな」
「じゃあ食べるか。頂きます」
鳥もどきは豪快にチキンにかぶりついていた。
「う、うまい!こんなうまいもの食べたことないぞ。感謝する。おおお、ほんとにうまい。これは何という食べ物だ?」
「フライド×@△☆●だ」
「え、何て言った?」
「だからフライド○@△■☆だよ。お前は鳥にしては流暢な日本語を話すが、まだまだ知らない単語もあるみたいだな」
「ふーん、そうなのか。まあうまけりゃなんでもいい」
「そうそう、こんなもの普通に生きてたらなかなか食べられるもんじゃないぞ。いや、食べられることはあるか、違う意味で。ハハハ」
「何言ってんだ、いらないならお前の分ももらうぞ」
「おお、いいよ。よっぽど腹減ってたんだな」
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