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3、concrete(具体的であること)
これは当たり前のように見えて、意外と盲点だったりします。
抽象的だとなぜいけないかと言うと、理由は二つあります。一つは理解も記憶も難しくなるからです。もう一つは抽象的であればあるほど、人によって違った解釈が可能になってしまうということです。
本文からの例を一つ挙げます。ノードストロームというアメリカの百貨店のエピソードには、
・ライバル店で買った品物に対してギフト包装をした
・顧客のシャツにアイロンをかけた
・他店で買ったタイヤチェーンの返金をした
など、日本の百貨店にも是非見習って欲しい、伝説じみた逸話が幾つもあります。こういったエピソードは間違いなく記憶に焼きつきますが、これらを「一流の顧客サービス」と言った瞬間に、覚えにくく、つまらない言葉になった気がしませんか?インパクトは弱く、その言葉で想像するのは人によって違います。
ちなみに素人の僕が書くのは大変恐縮ですが、優れた俳句や短歌も得てして具体的であると思います。
もともと17字や31字しか使えないのに抽象的な言葉だけで埋めれば、ふわふわと言葉が浮いているだけの空虚なものしか残りません。
伝えたいことが愛や希望、美しさ・・・その他何だったとしても、それを具体的な状況や行動やものに落とし込むことで、初めて人の記憶に残り、作った人の思いに共感できる作品が生まれるのだと思います。
芭蕉の、
『夏草や 兵どもが 夢の跡』
という有名な句がありますが、夏草が生い茂っているという具体的な事象から、見事に栄枯盛衰を連想させてくれます。これを、
『繁栄は 永遠になど 続かない』
なんて詠んでも、何の感慨も湧かないわけです(笑)
と分かってはいますが、自分ではなかなか作れないんですよ!!
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