4、記憶に焼き付くアイデア

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4、credible(信頼性があること) 『影響力の武器』のページ[link:howto_page?w=17738592&page=5]で書いた「権威」とも繋がりますね。やはり記憶に焼き付くアイデアにも、お墨付きはつきものなわけです。 小説の帯についている推薦コメントなどは正にそうですね、「~さんが読んでいるなら、きっと面白いに違いない」と解釈します。 こういった外部の権威ではなく、細部にこだわった記述や、人間的な尺度を用いることで信頼性を担保する方法も本書には書いてあります。 例えば、コヴィーの『第八の習慣』という本の中で彼が取ったアンケート調査を取り上げています。その結果は、 ・自分の組織が何を成し遂げようとしているか、その理由は何かを明確に理解しているとした人は、わずか37% ・自分の部署や会社の目標に熱意を持っている人は、5人に1人 ・自分の仕事が自分の部署や会社の目標に繋がっているとした人は5人に1人 ・自分が重要目標を達成できる環境を会社が与えてくれるとした人は、わずか15% ・自分の会社を全面的に信用している人は、わずか20% でした。数字は書いてますが、これだけだと記憶に残りません。そこでコヴィーはこの統計結果をサッカーに喩えたそうです。 「これがサッカーチームだったら、自分たちのゴールがわかっている選手は11人中4人しかいない。それを気にとめる選手は11人中たったの2人。自分のポジションとやるべきことを把握しているのも11人中たった2人。しかもある意味、わずか2人を除いて全員が、敵ではなく味方と戦っていることになる。」 この喩えによって、統計にドラマ感が出てぐっと記憶に焼き付くとは思いませんか。要は協調性に欠ける企業というのを主張したいのですが、コヴィーは協調性に欠ける企業を、協調性に欠けるサッカーチームに喩えることで、主張にインパクトをもたらしたのです。 必ずしも、外的な専門性や権威だけが、アイデアに信頼を与えるとは限りません。
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