第1部 その1
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たった今も、先ほど命じた、各部署の取りまとめた書類を集めて回っていたのだろう。 額には少量の汗が浮かんでいた。 「ありがとう。今行きます」 彼女はねぎらうようにそう言うと、ドアへ向かって歩き出した。 途中、一度振り返り市街地の方を見た。 〈どちらにしても、早々に手を打たなければ〉 彼女は自分に頷くと、部屋を後にした。
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