〓夏の風物詩〓

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チリンチリン、と風鈴が鳴る菊の家の縁側。 そこに腰掛ける俺の膝上で眠るポチの頭を撫でながら、俺は温暖化とか温暖化とか、温暖化のことを考えている。 日本では今年も残暑が続くとかなんとか……。 まぁ、そんな考えを色々 張り巡らせていたら、膝上のポチが目を覚まし、耳を立てた。 どうしたのかと思い、俺もその視線の先を追う。 『アーサーさん、スイカを切って来ました』 菊がお盆の上に、何切れかのスイカが乗った皿を持って来た。 『おぉ、サンキュー』 お盆ごと床に置き、俺の隣に正座する菊。
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