裏一寸法師

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昔々 あるところに それはそれは小さな男の子がおりました 一寸ぐらいしか 身長が無いため 名を 【一寸法師】と名付けられ たいそう可愛がられました それから 何年かの月日が流れましたが 相変わらず 身長が低いままでした その頃都には 鬼が頻繁に現れては 悪さをするという 事態がおきます 困り果てる その地区の人々 そんな状況を見かねた お爺さんとお婆さんは 一寸法師に 『一寸法師や あなた鬼退治に行きなさい』と言いました すると 「えーっ!めんどくせーし」 鼻をほじりながら 一寸法師が言います 『行かないと 家から追い出しますよ』ちょっと強めの口調で お婆さんが言いました 「マジ!!わーったよ行きますよ 行けばいんでしょ」 渋々了解する 一寸法師 『あっ ちょっとお待ち これを持って行きなさい』 そう言って お婆さんが渡した物は 武器代わりの針と お椀と一本の箸 『このお椀に乗って 川を下ると 都に着くから』 お婆さんは言いました 「川下るのダリーしぃ ちょうダリーし」 ブツブツ言う一寸法師を むんずと掴み お椀に入れ 強制的に川に流すお婆さん 『まっマジかよー このクソババア 覚えてろよ』捨て台詞を吐きながら流されて行く 一寸法師 途中 石とか藻に引っかかりながらも何とか無事に都にたどり着いた するとそこには 暴れまわる鬼の姿 「うっわー! 怖えーし 超怖えーし」 ビビる一寸法師 その時 『きゃー 助けてー』 そこには 今にも鬼に捕まりそうな 綺麗な女の人が… その人は 鬼に追われながら 一寸法師の方へ走って来ます しかし その人はあまりにも小さい一寸法師に気づかず 走り去ってしまいました 迫り来る鬼 【やっべー】 そう思ったのもつかの間 鬼は 一寸法師をスルーして走り去って行きました 『ちょ…何無視してんだよ』 無視された事に腹をてた一寸法師は 鬼を追いかけます
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