きっとそれは運命だったのかも

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彼等の行く手を阻むように立ち並ぶ木刀、鉄パイプ、メリケン、ナイフ、etc………を持った柄の悪い数十人のぞくにいう不良と呼ばれる学生達。 「そうだけどなにか?」 木刀を肩に掲げた不良にギラギラと睨まれながらも和也は済ましながらかえす。それにイラついたのか不良はアンと低く低音で発音しながらさらに睨みを効かせた。 「俺、暇じゃないからさー。絡みならよそでやれよ」 和也のその言葉に不良はこめかみに青筋を浮かべ 「キレたな」 「そうだね。キレたねー」 後ろで和也のやりとりを見守っていた二人はまるで他人事のようにそれを見ていた。これも普段通りの日常。だからここまで三人には余裕があった。 そして青筋を浮かべ、木刀を持った不良は和也との距離を静かに歩いて詰め 「舐めてんじゃねえぞクソガキィ!!?」 勢いのせて肩に乗せていた木刀を振り下ろした。 「あーあ、終わったなあいつ」 「かずちゃん今機嫌悪いしね」 機嫌を悪くしたのは彼と明日葉なのだが、それも合わせ彼等不良の大群が現れたためそれに拍車がかかったようで。 「振り方が粗いよ?」 不良が振り下ろした木刀を側面から強引に腕をねじ込み、木刀を強奪した。 「なっ!?」 驚愕する不良。 「喧嘩中にそれは命取り」 木刀の持ち手をを前に、そしてそのまま不良の腹目掛けて突き出す。かはっと唾を撒き散らしながら不良は宙に浮かぶ。 「梅ちゃーん!!?手前よくも梅ちゃんを!!!」 どうやらいまの不良は周りから梅ちゃんと呼ばれていたようだ。その梅ちゃんは綺麗な放射線を描いて誰にも看取られることなく硬いコンクリートの地面に落ち、それを合図に後ろで固まって見ていた不良の大群が動いた。 「ねえねえ明日葉ちゃん」 「なに柴君?」 「梅ちゃんだってさ。梅ちゃん、……笑えるくね?」 「くすっ、流石にそれは失礼だよ柴君」 和也の後ろで佇む二人は比較的平和だった。
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