狼の事情

私の役目

『せんぱぁぁあああい!!!』

突然響き渡るその声と同時に重たいドアがバンッと､勢いよく開かれた

「･･･ﾁｯ」

『屋上無断侵入､そして舌打ちの罪科によりレッドカード１枚です､先輩!!』

私､渡部 樹里(わたべ じゅり)は目の前にいる不機嫌そうな表情の男に赤いカードを差し出した

「毎回毎回･･･
しつけぇ､お前」

『･･･それはこっちの台詞です』

はぁと重い溜め息１つ吐き､私は先輩を無理矢理立たせる

『ほら､カギ閉めます
もう入らないでくださいよ』

「･･･うっぜ」

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