鉄格子の中へ…。

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「どうかしたか?なに怒鳴ってるんだ。」 男が箱を机の上に置きながら、聞いた。 そうすると、男が応えた。 「こいつ……名前が無いみたいなんだよ。」 「そんな訳無いだろう。………なぁ教えてくれないか?」 男は、優しく問い掛けた。 少女は、小さく頷きー。 「あの…なまえって…何ですか?私、分からないです…。」 男たちは、呆然とした。 「…やっぱりみたいだな。どうするよ。名が無いとナンバー付けられないぞ。」 男は、頭をかいて悩んだ。 「もしかして…記憶が…無いのか?」 それを言った男がイスに座りながら、少女に問い掛けた。 「記憶って…。私は、馬車の中の事しか知らないです。あとは…何も……。」 少女は、うつむきながら応えた。
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