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「そうか…。連れて来られる時に何かがあって、記憶を無くしたかもしれないなぁ。」
男は、そう言うとイスから立ち上がり、部屋の中にある本棚に向かい、一冊の本を読みはじめた。
「おい、何してるだよ?名前が無いと何も出来ないだろう。ナンバーも付けられないし、これからの説明も出来ないし……。」
男は、グチグチ言い始めた。
「まぁ、待ってろ。確か、このあたりに合ったはずなんだけど…。」
男は、本のページをめくりながら応えた。
「えーっと………あぁ、あったあった。」
男は、本を持ってイスに座った。
「名前がないのは、これから困るからな。俺がつけてやる。」
俺は、そう言って少女に自分の見ていた本を見せた。
「…………。」
少女は、本を受け取り、読みはじめた。
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