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ある日の昼下がり。
ひとつの馬車が林の中を走っていた。
その馬車は、黒く闇のような色とそれに合わない小さい窓が付いていた。
ガタ……ゴト………ガタ……ゴト。
揺れる馬車の中に、少女がひとり横たわっていた。
髪は、黒髪で長く腰ぐらいまであり、低い位置にひとつに結わえてる
格好は、少女には似合わない、全身黒に被われた上着と短いズボン、ブーツ姿だった。
あと、なぜか手には手錠がかけてある…。
少女を見てみると、まぶたが動いた気がした。
「………ぅん…?」
少女は、目をこすり辺りを見た。
「……あれ……ここは…?」
ゆっくり体を起こして、馬車のすみずみまで見る。
「…っ……痛…い…」
急に頭がズキッとした。
頭を殴られたような感じがする…。
痛む頭に手を当てながら、馬車の中を再度見てみる。
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