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「ああ。僕は官能小説家で、これは全部資料なんだよ」 宮城はそう言って、さも当然のような顔をした。私は思わず叫びだしてしまいそうだった。 うっさんくさーー MAXに怪しすぎるこのおっさん。 私が眉をひそめていると宮城は私を見つめて微笑んでいた。 「リーンちゃん?僕からも質問してもいい?」 「どうぞ」 「リンちゃんって、処女?」 「はい、そうですけどそれがアパート借りるのとどう関係があるのですか?」 しばしの沈黙。 壁が薄いからか、隣の部屋のテレビの音が聞こえてきた。
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