0章、混ざり始める

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何故、午後の授業というのはこうも面倒なのだろうか。 教室の左端の列、窓際、前から5番目というなかなかの高位置に机を構える俺はそんな事を考えながら、窓から空を見上げ溜息をついた。 教壇の方をチラリと見ると、世界史の教師が、第二次世界大戦について熱弁しているところだった。 いや、厳密にはそこから発展して、銃器の説明をしているところか。 また始まった。 このメタボリック体型な教師は話がいつも発展しすぎる。 おかげでついたあだ名ばペラピザ゙ ペラペラと口が回る上にピザ、所謂メタボリック体型の人を指す言葉だ、その2つを合わせてそう呼ばれていた。 ペラピザの無駄話は恐らく、この授業が終わるまで終わらないだろう。 俺は机に体を乗せて楽な体勢を取ることにした。 俺はその体勢のまま首だけを窓の方へ動かして、また空を見た。 流れる雲や、空を自由に飛ぶ鳥等を見ながら (暇な毎日だな。) と、誰にも聞こえないような音量で呟いた。 俺の前に座っている女がちら、と俺を見た。 この女の名前は山内京子。 こいつとは小さい頃からの付き合いだ。 どうやらこいつには聞こえていたらしい。
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