14人が本棚に入れています
本棚に追加
朱里
「新しい外史を作る……じゃあここは、ご主人様が作った新しい世界ということですか?」
一刀
「分からない。だけど俺がいたあの聖フランチェスカの世界では無いと思うんだ」
朱里
「私がこの世界に居るから……違う世界になってしまったんでしょうか」
一刀
「そうかもしれないな……」
朱里
「……ここには誰もいないんですね。愛紗さんも、鈴々ちゃんも、星さんや翠さん、紫苑さん……みんな消えてしまったのでしょうか?」
一刀
「いや……消えてないと思う。貂蝉たちの言葉を信じるなら、あの世界はまだどこかにあるはず」
星(N)
「その世界は見えず、感じることも出来ない世界ではあるけれど。」
一刀(N)
「俺たちが仲間のことを思っていれば、それは外史として存在し続けていくだろう。少なくとも、俺たちの心の中で―――。」
一刀
「だけど……朱里と一緒に居られる。これほど嬉しいことは無いよ」
朱里
「はいっ!それは私もですよぉ♪」
一刀(N)
「そう言うと、朱里は弾けるような笑顔を見せてくれた。」
朱里
「ご主人様。……これからもずっと一緒に居られますよね?」
一刀
「ああ、もちろん。この世界で幸せになること。……それが愛紗たちへの手向けにもなるんだから」
朱里
「そうですね……」
一刀(N)
「仲間たちと過ごしたあの日々。それはまるで宝石のようにキラキラと光り輝く日々だった。それと同じぐらい輝きを放つ日々を、俺は朱里と共に歩いていきたい。」
翠(N)
「そしてその日々こそが、新生した物語となっていくだろう。ここが物語の終端にして、新生した物語のスタート地点。」
一刀
「行こう、朱里」
朱里
「はいっ!」
一刀(N)
「愛しき人の小さな手。手と手を繋ぎ、俺たちは歩き始めた。新生した物語に胸を躍らせながら――――。」
最初のコメントを投稿しよう!