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左慈(N)
「喪失しようとする北郷一刀という存在。その存在に付随する概念の消失。」
紫苑(N)
「まるでブロック崩しのように、一片、また一片と剥がれ落ちていく記憶の中、一刀は朱里のことを強く心に思い描く。」
一刀(N)
「朱里を忘れないように。朱里との思い出を失わないように―――。」
一刀
「くっ……」
一刀(N)
「負けていられない……っ。例えこれが決められた物語だとしても、唯々諾々と運命なんてものを受け入れられるものか!」
一刀
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
星
「一刀は運命に抗うように雄叫びをあげ、白光を振り払って手を伸ばす。愛しき少女との絆を求めて―――。」
朱里
「待っていてくださいね!すぐに助けに行きますからっ!」
翠(N)
「白い光に包まれた一刀の輪郭が、ゆっくりとした速度でぼやけていく。」
朱里
「消えないで……っ!絶対に助けてみせますから!どこにも行かないでっ!」
左慈(N)
「一刀がいなくなる―――。それに思い至った途端、朱里の足から力が抜けてしまう。」
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