第3話ミヤマさんとデート

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僕の彼女、ミヤマさんは多趣味だ。 彼女の趣味は文化系のものからアクティブなものまで幅広い。 そんなミヤマさんをデートに誘ってみた。 * * * 午前4時。 僕らのデートは海釣りから始まった。 ミヤマさんがでっかい魚を釣り上げたので、それを刺身にして朝陽を眺めながら朝食をとる。 朝食の後は直ぐにスポーツセンターへ向かい、テニス、バトミントン、卓球、水泳と体を動かしまくった。 その後、シャワーを浴びて着替え、2人でファミレスに向かう。 昼食をとり、席をたつついでにミヤマさんが隣のテーブルにいた小さい女の子のジュースへ青酸カリを忍ばせ後、僕達は手を繋いで美術館へ向かった。 一通り絵画を見て回った後は、映画を観に行った。 もうこの辺りになると、疲れが両瞼に重くのしかかり、映画どころじゃなかったが、ミヤマさんは涙をボロボロ流しながらスクリーン観ていた。 その後はカラオケだ。 ミヤマさんは邦楽から洋楽、最新の曲から昭和の歌謡曲までありとあらゆる歌を歌いまくり、僕は目を擦りながらそれを聴いていた。 そして、やっと僕が予約していた店でのディナーだ。 「疲れた?」 ワインのグラスを片手に、ミヤマさんが悪戯っぽく微笑んでいる。 正直僕は、目を開けているのが精一杯な状況だ。 「ミヤマさんは元気だね。」 そう言いながら、なんとかデザートを口に押し込む。 「勿論!まだまだイケるよ!」 ミヤマさんが眩い笑顔で拳を振り上げる。 僕は、明日筋肉痛になりそうだなぁと思いながら適当に相づちを打つと、ミヤマさんは少し顔を赤らめて言葉を続けた。 「だって、初めてコサカ君の方からデートに誘われちゃったんだもん…。」 次の日、筋肉痛で体が引き裂かれそうなほどの激痛にうめきながら、今度はいつデートに誘おうかと考えてる僕は、ちょっと病気かもしれないと思う。
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