田中の場合

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「お願いだよ」  僕は懇願する演技をしてみせた。きっと、この演技を有名な監督が見ていたら、アメリカで有名な、宇宙を救う的な映画に出られただろう。あっ、演劇部に入ろうかな?  ――って入っていいわけが無い。文芸部の勧誘をしているのに勧誘していない演劇部に入るなんて俺はバカという名のバカじゃないか。僕は心の中で約束事の無い指きりをした。特に意味は無い。 「お願いって言われても……俺ってゲーマーだからすぐに家に帰りたいわけ。ちなみに最近のお気に入りのゲームは『マーガリンを塗って塗って塗りまくれ~夏のサンシャインは危険がいっぱい~』だ」
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