聖なる作戦会議

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──およそ十分ほどで、彼女の言う作戦の全貌は把握した。 「質問は?」 張り切った声で聞いてくる。 発案したこともあって、本人はかなりやる気のようだ。 「じゃあ一つだけ」 聞く側らしく、片手を挙げて尋ねた。 「どの辺りが作戦名と関連してるわけ?」 文香はかわいらしい微笑みで答える。 「特に関連性はなし」 部下が同じことを言ったらゲンコツものだが、美人だからこそ許される仕草だ。 「なら作戦名は、単純にサンタクロース作戦で」 「"大"は欲しい」 「……サンタクロース大作戦で」 「了解!」 敬礼のポーズで答えてくれた。 しかしこの作戦、なかなか面白そうだ。 こういう発想では、とても文香に敵わない。 「じゃあ予定通りによろしくね。決行はクリスマスイブ!」 「了解!」 オレも調子に乗って敬礼で返す。 こうして、オレ達家族の【サンタクロース大作戦】が決まった。
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