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「うぎゃぁぁああ!」
溝口の悲鳴が響き渡る
その声は一定の場所からは聞こえず、溝口が移動をしているのが分かる
それもかなりの速さで
その直後に衝撃音が聞こえた
そしてさらに何かが割れる音
「うわぁ!」
「きゃあ!」
「皆、落ち着いて!近くに人がいたら手を取りあって!お互いの存在を確認するんだ!手を伸ばせば分かるから!」
政宗の声も悲鳴や物音で掻き消されてしまう
しばらくして明かりがついた
倒れたテーブルに割れたグラス
部屋の隅で気を失う溝口
その隣には尻尾を振る子犬
そして部屋の中央には背中にナイフを突き立てられ赤い染みを滲ませる大山の姿があった
「…これがゲームだって言うのか…」
悲鳴があがる中、ただ一人政宗だけが笑みを溢しながらそう呟いた
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