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「…とまぁ、私の話はこの辺にしまして…それでは本日の主役に登場していただきましょう!どうぞ!」
拍手を浴びながら男は皆の正面へと出てきた
無理矢理着せられたような派手な服がまた目立つ
「えーと、ありがとうございます」
今日の主役である渡邉はただ一言、そう言うとすぐに引っ込んでしまった
「つまらねーぞー」
「かえれかえれー」
聞き慣れた野次が部屋の隅から飛び出してきた
しかしこれもいつものこと、野次を飛ばした本人達も渡邉がこういう場で、期待通りの言動を見せるはずがないことを知っている
ただパーティーという雰囲気に浮かれての発言であった
「えっと…それじゃあ乾杯でいいのかな?じゃあ乾杯!」
悠の中途半端な音頭でパーティーが始まった
「会長、いいんですか?」
「何が?」
「いや、こういう目的で学園の体育館を貸し切って…」
体育館に並べられたテーブルの数々
それらの上には豪華な料理が並べられている
「明日の昼過ぎまでは予定は無いはずだよ?」
「そういうことじゃなく…」
慶はそこで言葉を止めた
この神之矢学園に入学して驚かされたのは何度目だろうか?
とにかく常識が通用しない学校である
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