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既に声が聞き取れない位置まで逃げた溝口だが、まだ警戒しているようだった
「で、どうするよ?この犬」
子犬は素子の腕の中で大人しくしたままだった
「部室で飼えないのか?」
「お、俺は反対だぞ!!」
聞こえるはずもない距離にも関わらず遠くから溝口が叫ぶ
「こんなに可愛いんなら考えてもいいかなぁ」
大山が撫でようと手を伸ばすと子犬は歯を剥き出しにして低い声で唸りだした
「…訂正。こいつとは上手くやっていける気がしない」
続いて渡邉や上田が手を伸ばし、頭を撫でる
子犬は気持ち良さそうな顔を見せた
「さらに訂正。こいつ可愛くない」
溝口が遠くで大きく頷いた
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