4人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺は ほら、
もうすぐいなくなるから」
そういって笑う君の顔は
寂しそうで、悲しかった
「もう馴れたみたい‥」
「‥え?」
「悲しいとか可哀相とか、辛いとか」
彼の視線の向こうには
青い空と子供たちの声
「そんなこといっても
現状は変わらないし
ただ みんなの幸せや
笑顔をなくすだけ
俺は、そっちのほうが辛いんです
だから俺は泣かない、辛くもない
俺はまだ、笑えるから」
そういって君はまた微笑む
君の苦しみを
ぜんぶ受け止めたい
だから、君が泣けないのなら
「‥っ、」
「‥なんで、泣いてんの‥?」
「にのは、優しいから
だからっ、俺が、泣くから
お前が泣かないぶん
俺が泣いてやるっ‥」
「‥そんなの いいのに、」
君の寂しげな笑顔が
少し変わった気がした
にのが
今まで我慢してた分だけ
今泣いてしまおう
そしたら今度は
君が辛さを堪える度に
泣いてしまおう
だから君は笑って
君じゃなきゃ
みんなを笑顔に出来ないから
君の笑顔には
みんなの幸せが詰まってるんだ
「にの‥
かず、好きだよ
大好き、だからなっ‥!」
残りの時間を
俺も一緒に生きていいかな?
君とともに
君の生涯を一生愛すよ
君の優しさを忘れない
君の声も
その笑顔も
そのすべてが
俺の還るべき原点だから
( 和、愛してるよ )
最初のコメントを投稿しよう!