きえない

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ずっと動けないでいた 降り続く雨が 俺を 容赦なく濡らしていた どれくらい そうしてたんだろう いつの間にか 雨は 雪に変わっていて (…寒、い) そんなこと思っても 周りには誰もいなくて ただ 寂しくなるだけ やけに静かな 人一人いない 雪の降る街 ああ、馬鹿だな もう終わってしまったのに 俺らの関係は なくなったのに 今も 俺は あの人で 頭がいっぱいなんだ あの人は いま どこで どんなふうに 過ごしているのだろう なんて いつだったろう 白くなった吐息も わかる距離で なんの疑いもなく 幸せを感じていた あの日と 同じ景色を見ている (…同じな筈なのに、) ささやかな ( 切なく 甘い ) かわらない毎日のなかで 俺は どれだけ あなたを見つけただろう 気がつけばいつも 俺の傍には あなたがいた 流れる季節が 苦く 痛い 振り向いて笑う 優しい笑顔 遠ざかるまえに もう一度 会いたい 気づかないくらいの優しさとか 今はわかる あなたの優しさ 『にの寝癖、かわい』 綺麗な手で いつも直してくれた ( まだ 気付ける距離だった ) 幸せはきっと そんなふうにつくられてたんだ つないだ手が 温めていた夢 ずっと描きかけのまま いまは もう ひとり ぽた 止められない 溢れでる涙 ( 終わりたくない ) 甘い記憶が 燃えて 落ちる 止まったら ほんとに 終わる気がした 足跡は 雪に 白く 消されて ( なくならないで ) なくした 居場所 もどれない 過去 ずっと あなたを 忘れない ただ 忘れられない あなたへの 思い その夢が どんなに 儚くても いつかは 消えゆくものだとしても 強く 願った ( あなたを 愛してる ) .
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