ぼくだけを

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朝起きて いちばんに 浮かぶのは あいつの顔 というのは 毎晩 夢に あいつがでてくるから 行為中の あの切ない顔が 生理的なのかわからない あの涙が 覚醒した脳に張り付いて 離れない 夢の中で いつも俺達は お互いを求め 愛し合う あいつは 泣いていて それで俺は 苦しくて それは あまりにも 現実に 似ているから ( 俺は どこまでも 無能 なんだ ) 扉を開くと 君は笑ってる けど その笑顔は 細い糸みたい 「大野さん 俺を殺して」 「うん おはよ にの」 俺が うん と返事をすれば 小さく 息を吸い込んで 微笑む 「俺ね 今日は 溺れたい」 「うん?」 「魚になりたいんだ たぶん」 「にの 昨日誰といた?」 「え? 相葉さんだけど」 「あぁ 相葉ちゃんね」 「そうだ 大野さん 昨日ね?」 「ん?なに」 「相葉さんに殺られたんだ ふふ」 「しってるよ」 「え?なんで」 「痕のこってるよ ねぇ にの」 「痕?」 「俺以外と しないで」 「うん?」 「俺がにのを 殺してあげるよ」 「ふふ うん」 「にのは 相葉ちゃんと 俺 どっちのがいい?」 「大野さんだよ 大野さんのほうが 全然気持ちい」 「にの 今日は 溺れたいんだっけ」 「いい?」 「うん しよっか 溺死」 「やったぁ うれしい」 「じゃあ 放課後は 俺んちね?」 「うん んふふ」 ・
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