第一章 第一話『受け入れる現実』

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数年前に息子の龍に先だたれ、自暴自棄になりつつあった私に追い討ちをかける様に、最後の家族であった父が昨年亡くなりました     そして… 手のひらを返した様に、会社で取締役員解雇、分家強制退去、ほぼ出向とは呼べない解雇様な扱いで前部署から研究所への突然の出向を命じられました     両親や最愛の妻知恵と息子龍の思い出の残る住んでいた家を取られ、身分を剥奪され、仕事も無くし、全てを失いました     ただこの状況は… 父が亡くなった場合の予想通りの本家の指示だったので、その為の準備を密かにしていましたし、別段慌てる事もなく淡々と受け渡しをしました。     本家が僕を研究所勤務にしたのは、僕を飼い殺しにして、とことん絞り尽くそうとする本家や役員会の汚い連中が画策しての事でしたが、僕にとってはある意味、あの一族から離脱する為の残された最後の希望でした   何故(・。・?)… この様な状況を素直に受け入れるか…と、思う方もいらっしゃると思いますが… それは後程書いていきたいと思います
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