告白はタイミングだ

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彼女は男嫌いではないが、現実主義で合理主義だった。 -が+に変じる事は滅多になく、結論を出すまでに時間をかける。 彼に対しては2年をかけて観察した。 その結果が無視。 しかし、彼はそれを知らない。 彼女が降りる駅に着いた。 まだ何かを言っているようだったが、その隣に別の人間が居る事に気付いて、更に嫌な顔をした。 友達まで巻き込んだチキン。 彼の株は-から更に転落し、彼女は一切反応を返さず、そのまま歩み去った。 「きっつい女!!」 彼の友達が吠えた。 知るかボケ。 彼女は心の中でそう言うと、スタスタと歩いて家に帰った。 もしも中学生時代に告白されていたならば、彼女ははっきりと『他に好きな人がいる』と言っただろう。 だが、彼は行動を起こさず、彼女が結論を出した後に行動を起こした。 どちらにとってもタイミングが悪かったとしか言いようがない。 が、彼は深く傷付いた事だろう。 その後にも、彼が声をかけたと言う話を聞いたが、彼女は走って逃げたそうだ。 そんなやり取りがあったのだから、彼は嫌われている事に気付いただろうと思う。
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