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途端、振り返った彼女と目が合う。
彼女はギロリと自分を睨み付けていた。
ゾクゾクする。
あぁ、泣かせたい。
反射的に発情しかけてしまったが、そんな場合ではなかった事を思い出し、自分はへにゃりと笑みを浮かべる。
「お……オマエら……その……」
しどろもどろな先輩の声を無視して、自分は彼女の頭をぽんぽんと撫でた。
驚いたように目を瞬き、彼女はちょっと膨れたような顔をして、足元に視線を落とす。
「どっちがどうなん?」
顔を赤くしてそう聞いた先輩の顔に、彼女の平手が飛んだ。
物凄くいい音がして、自分は目を瞬く。
「変態!!最低!!」
彼女の罵声に苦笑して、自分は叩かれた先輩を見た。
「強いて言うなら……自分は上がいいですね」
「え?」
自分の声に返事を返したのは、同じクラスの女子数名だった。
いつの間にか、周りの時間を止めてしまう程、注目されていたらしい。
「男をヒイヒイ言わせるの、好き何で」
にっこりと笑みを浮かべて、自分は彼女を庇う。
変態ちっくな話を先輩が振った、と周りの人間は思ったらしい。
「……」
彼女は無言で自分を責めている。
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