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ザワザワと不愉快な声が聞こえる。
脳まで腐った豚どもには微塵も興味はないが、聞こえる声は実に不快だ。
だけど、先刻から何か焦りのような…胸から腹までがムズムズと疼くような感覚がしている。
……なに?とても嫌な予感がしてならない。
ふと、いつも首に架けているロケットのネックレスを開ける。
そこには、姉妹だろうか…幸せそうな笑顔の女の子とぎこちなく笑う女の子の写真が入っていた。
ソレを眺める目はとても穏やかで、ここがどんな血生臭い所なのかを忘れそうになる。
もうすぐ決着か…
例えどう見えてようと構わない。
最早私の勝利は当然だから……‥
もう一度写真を見てロケットを閉じ、祈るように交差した掌の間に入れてそっと握り締め、目を閉じる。
…ずっとしてきた動作。
これをやると本当に安心して穏やかになれる。
……だが、この焦りだけは消える気配がなかった。
「……姉さん…」
……もうすぐ帰るからね…?
「《NO.53準備しろ》」
「《……わかった》」
相手もなかなか出来るようだ。
ならば集中しなければいけないな。
…少し間違えたら命取り……
……ふふっ…フフフ
あぁ…………たぎる。
武器を装備し、軽やかな足取りで宴の場に向かった。
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