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.side?
ピピピピピピ…
…カチッ
「ん゛~~…朝かぁ」
まだ眠いけど贅沢は言ってられない。
一人用の小さなベッドから降り、洗面台に眠気眼で行く。
顔を洗うと、少しだけ思考が冴えた。
一階に降りると、出勤前のお父さんに会う。
「お早う。じゃ、行ってくる」
「ん。行ってらっしゃい」
短い会話だけど忙しい朝にはちょうど良い。
…さて、そろそろ目が覚めてきた。
そのままリビングに行き専業主婦のお母さんに会う。
「おはよー」
「お早う。サッサと食べないと学校遅れるわよ?
この前は遅刻しそうですごく慌ててたじゃない」
「大丈夫だよー。あ、このドレッシングいいね」
…何てさりげなく話を反らす。
「あら、そう?お父さんはあんまり好きじゃないらしいけど…」
お、上手く乗ってくれた?
「この味も、秋(あき)の、のんびりな行動力もね」
………無理だったか、母は強しだ。
なんて、うんうん考えているうちに食べ終わっていたらしい。
凄いイリュージョンだな。プリンセスて●こーもビックリだ。
…さてと、私も通学の準備をしますか。
髪を結い上げ、規定の制服に腕を通し、規則違反にならない程度にスカートを短くすれば、花も恥じらう女子高生が!
……嘘です。調子に乗ってスイマセン。
ふと、鏡に映る平凡な顔の私が目に入る。
自分は見慣れているけど、きっと半年ぐらい顔を会わせなければ忘れ去られてしまいそうだ……
……止めよう。現実的過ぎて怖い。
どこか可笑しなところはないか最終チェックを終えれば…
浅見 秋 (17)
の出来上がりだ。
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