異と別

7/14
前へ
/41ページ
次へ
. 「アキ、アキ、オハヨ!」 急に声をかけてきたのは、鳥籠に居るインコのピーちゃんだ。 私の自慢の妹がある日持ってきた鳥で。 名前を決めてないと言ったので「じゃあ、ピーピーうるさいからピーちゃんね!」なんて(本気で)言ったら、固まった1人と1匹がいた。 妹と同じく頭が良いらしく、言葉の記憶が早い。まぁ、意味が分かっているのかは疑わしいが…… ちなみに餌は与えない。 するなと妹に云われたからだけど……勝手に脱走して自力で採っているらしい。 …何を食べているかは知りたくもない。 鳥籠の近くに置いてある写真立てを見る。 妹とのツーショットで最新の写真だ。 黒髪ロングの平凡顔の締まりない笑顔の隣には、黒髪ショートヘアの将来有望な美人さんが優しそうな笑顔で微笑んでいる。 いつの間にか越えていた背に驚いたっけ…… 外国にあるナントカ大学(…名前なんだっけ?)を飛び級で卒業してしまった天才で、今は戦場に行って活動している………らしい。 何の活動かは判らないが、きっと優しい妹の事だ、ボランティア活動だろう。 天から2物も3物も与えられた妹にコンプレックスを感じるかと思われがちたが、実際はそうでもない。 何故なら、私の妹は自他共に認める極度のシスコン。つまり私大好き人間なのだ。 親にも甘えない妹は私だけに甘え、甘やかし、何時もはキリッとした厳しそうな顔さえ私の前となるといっつもニコニコ。 そんな訳で、私からすれば逆に優越感が満たされまくりなのだ。 そんな可愛い自慢の妹の名は、 浅見 桔梗 (ききょう) 浅見家のダイヤモンドだ。 ………と私は思っている。 もうすぐ帰ってくると先週手紙が来た。 再会が楽しみだ。 .
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加