桃園の誓い‐劉備玄徳

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関羽は辺りに漂っている桃の花の香りが気になったのだ。 「わたしの裏庭にたくさんの桃の木が植わっているからだろう」 「へぇ~桃かぁ。食えるかな?」 「まだ五月だから早いだろう」 張飛はお腹が空いていたのだった。関羽の話を聞いてがっかりしていた。 「せっかくだから行ってみよう」 関羽の意見にみんなは賛成して裏庭へ三人は向かった… 劉備の裏庭に着くとたくさんの桃の木と桑の木が植えられていた。 「こんなにいい場所があるとは…」 景色より食い気の張飛まで桃園の美しさに圧倒されていた。 「こんなに綺麗なところは初めてだ。何か誓いをしたいな」 張飛は感傷的になって言った。 「義兄弟の誓いはどうかな?」 関羽は温めていた企画を言った。張飛とは既に兄弟の誓いを立てていたが、劉備とも兄弟になりたいと心底願っていたのだ。 「わたしに依存はない」 劉備も大きく頷いて言った。 「では、誓うぞ。俺たち劉備玄徳と関羽雲長、そして張飛翼徳は、ここに義兄弟の誓いを行う。我々は今日、同じ日に生まれ、同じ日に死ぬことを誓う」 三人は口を合わせ復唱した。劉備と関羽、張飛の義兄弟の成立である。 近くの森では若い鶯がさえずりの練習をしていた… 劉備が長兄で関羽が次兄、末弟が張飛と言うことで話は決まった…  
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