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三国志を語る上で欠かせない英雄がいる。劉備玄徳、孫権仲謀、そして曹操孟徳である。
当世の吉凶師、許子将に乱世の姦雄と言わしめた人物こそ曹操孟徳だった。
「阿萬、礁に行くぞ」
「はい、父親」
曹操は父親の曹嵩と連れ立って故郷の礁へ向かった。礁には曹嵩の親族がまだたくさんいた。
「元譲や妙才は元気かな?」
曹操は久々に会う従兄弟たちの再会に心踊った。
「阿萬、そろそろ礁だ」
二日の道のりを歩き、二人は久しぶりの礁の土を踏んだ。
「おや、嵩さんでないか?」
「どうもです」
曹嵩は以前の顔馴染みに頭を下げた。曹嵩も久しぶりに故郷に帰って来たのだ。
曹嵩は予め礁に帰ることを手紙で知らせていたので、礁にいる親族は一家を上げて曹嵩と曹操を歓待した。
「嵩と阿萬、よく来られた。たいした料理は用意出来なかったが心尽くしの物だ。食べ物で旅の疲れを癒やしてくれ」
「ありがとうございます」
曹嵩と曹操は出迎えてくれた曹家一門に頭を下げた。
出迎えた曹家の一門の中に、夏侯家の親族の姿があった。曹操の従兄弟の惇と淵である。
「やあ、兄弟、久しぶりだな?」
「阿萬も元気そうだな」
豪華に並べられた食事が終わると曹操は夏侯惇と夏侯淵に会いに行った。
「どうだ元譲、剣の腕は上がったか?」
そう言うと曹操は夏侯惇の腹を拳で突いた。
「あははは。無論滞りない。そう言う阿萬はどうなのだ?」
夏侯惇はやり返し腹を正拳で突いて曹操に質問した。
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