桃園の誓い‐劉備玄徳

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「貴様、俺を馬元義と知って、おちょくっているのか?」 馬元義は剣を抜いて劉備にかかっていった。 劉備は黄巾賊の一人を盾にして馬元義をかわし、その男から剣を奪った。 「あんたこそ俺を劉備玄徳と知ってか?」 「うぬぬ。少し見くびっていたわ」 馬元義は剣を握り直して劉備と対峙した。 「では、行くぞ」 劉備はじりじりと間合いを詰め、馬元義に向けて剣を真一文字に振り下ろした。 「うわぁ」 馬元義の腕は劉備の剣の餌食となって、地面に転がった。 「次は腕だけじゃあ済まないぞ」 「くっ、意外に強いな。俺じゃあダメだ」 馬元義は少しずつ退却を始めた。 「あははは。黄巾賊が逃げて行くぞ」 劉備は大笑いして馬元義を嘲笑した。 「おい、馬元義。どうした?」 「兄貴、済まない。腕をやられてしまった」 「うぬ、敵は俺が討とう」 劉備の前にこれまた黄巾賊の黄色頭巾を被った男が進み出た。 「俺は黄巾党の官亥。馬元義の敵、俺が討たせてもらうぞ。名前は何だ?」 「劉備とは俺のことだ」 劉備は黄巾賊から奪った剣を斜に構えた。だが、官亥の手下の黄巾賊たちに劉備は囲まれてしまった。 「しまった。黄巾賊たちに囲まれたか。さすがの俺もこれではまずい」 劉備は黄巾賊に囲まれ身動きが出来なくなってしまった。 「おーい、大丈夫か?助太刀しょうか?」 その時、劉備に助太刀しょうと言う髭の若者が現れた。 「有り難い。お願いします」 劉備は大きな声で助けを求めた。 「わははは。喧嘩だ、喧嘩だ。容赦しないぞ」  
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