桃園の誓い‐劉備玄徳

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劉備と張飛は酒をたらふく飲んで張飛と別れた。 劉備と張飛が黄巾賊を倒して何日かしてから、草鞋を売りに西の市場にいた劉備は別の黄巾賊のグループと遭遇した。 「やい、やい。有り金全部出せや。俺たちは泣く子も黙る黄巾賊だ」 「ひぃ~これでご勘弁を」 「しけてるなぁ。これっぽっちの金じゃ上納金にもなりゃしない」 黄巾賊たちは西の市場に来ていた客たちから金を巻き上げ始めた。 「ママ~怖いよ」 「お嬢ちゃんも俺たちが怖かったらお金を出したな」 黄巾賊たちは女、子どもからも容赦なくお金をむしり取っていった。 「待ちな。そんな小さい子どもの銭すら取ると言うなら、張角は悪魔か、鬼か?」 劉備は小さな女の子からお金を巻き上げようとした黄巾賊の腕を締め上げた。 「痛ててて。何者だ?」 「馬元義の腕を切り落とした劉備だ」 「何だと?」 下っ端の黄巾賊は劉備の名前を聞くと青ざめた。 「黄巾賊、黄巾賊って、うるさいぞ。ただのたかりじゃないのか?」 「痛ててて。大賢法師様の教えを…」 「大賢法師?張角は盗っ人の頭か?」 劉備は笑いながら黄巾賊の腕をひねる力を増していった。 「そのお嬢ちゃんに金を返すか?腕を折られたいのか、どっちだ?」 「わ、分かったよ。返します、返します」 黄巾賊の下っ端の男は慌てて言った。 「よし、いいだろう」 劉備が急に腕を放したので黄巾賊の男は転びそうになった。 「ほらよっ」 黄巾賊の下っ端は子どもにお金を渡すと走って逃げた。 「今度はお金を取られるんじゃないよ」 「おじさんありがとう」  
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