泥酔「想いに浮かべ、酒の船」

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  というか既に幽霊くらいじゃ驚かなくなってきたな。 公真 「んー……川釣りも面白いけどさ、たまには海釣りもしてみたいな」 妖夢 「海……? 幻想郷に海なんて無いわよ?」 公真 「……マジ? じゃあこの川どこに向かって流れてんだよ」 妖夢 「考えたことなかったわ」 ……塩とかどうしてんだろうな。 バシャッ……ビチッビチ…… 公真 「だいぶ釣れたな。昼飯にしても余るくらいじゃないか?」 話している間に、魚は俺と妖夢が釣ったのを合わせて十数匹は釣れていた。 妖夢 「……まだ足りないわ」 公真 「これでかよ!? ……お前の家、何人暮らしだ?」 妖夢 「私と幽々子様の二人」 ……ところで幽霊を数える単位ってなんだっけ。 公真 「まさか昼で全部食うのかこれ」 妖夢 「そのまさかなのよ。幽々子様沢山食べるんだもの」 へぇ……俺には三匹でも多いくらいなんだがな。 公真 「じゃあ……まだ釣るのか」 妖夢 「当然よ」 公真 「……わかった。俺も男だ、最後まで付き合うよ」 ……別に釣りは普通に好きだし。 ………数十分後……… 公真 「…………………………」 妖夢 「…………………………」 時間が経つに連れ、会話も無くなってくる。 無理もない。俺と妖夢は限りなく初対面に近いんだ。そう会話がポンポン弾む訳も無い。 しかし、ただ黙々と釣竿を握る沈黙に耐えかねた俺は、妖夢にこんな話をし始めた。  
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