泥酔「想いに浮かべ、酒の船」

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  妖夢 「もう……知らない」 機嫌を損ねてしまったようだ。 ……グイィッ! とその時、とても強い引きが来た。 公真 「……く……っ!」 おいおい、少し強すぎないか? 公真 「妖夢!」 妖夢 「わ、ビックリした……急になに?」 公真 「一緒に引っ張ってくれ! 俺一人の手には負えない!」 妖夢 「わ、わかった」 二人分の力でもかなり竿が重く感じる。 妖夢 「これ……釣れたら何匹分の食料になるのかしら」 公真 「さぁな……ただ、十人前の刺身くらいは作れそうだなぁ!」 ザバァー! 釣り上げた! 公真 「………………」 妖夢 「………………」 何が釣れたかって…… 魚ではない、人の形をしていて…… 公真 「ぅあああ! 水死体釣り上げちまったぁああ!」 妖夢 「きゃああ……ってコレにとりじゃない」 公真 「はぁ……はぁ……にとり?」 妖夢 「この川に住む河童よ河童。死んでるように見えるけど寝てるだけだわ」 公真 「……このまま川に戻しても呪われないよな?」 妖夢 「平気よ、ほら戻して」 ……今更ながら、川で女の子が釣れるってシュールだな。 ………約一時間後……… 公真 「……もうだいぶ釣れたんじゃないか?」 妖夢 「そうね。これ捌くのも大変なのよ……」 公真 「……頑張れ」 気がつけばもう昼時か。  
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