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でもまぁ……別に軽いしいいか。
寝息が首にかかって妙にくすぐったい。
……これ、前から見たら俺から角が生えてるように見えんのかな。
などと、しょうもない事を考えているうちに里に着いた。
~~~人間の里~~~
公真
「ほら着いたぞ、起きろ」
萃香
「……ん……zZZ……」
まったく起きる気配がない。
……これじゃ連れて来た意味が無いな。
仕方が無い。優曇華とやらは自分で探すか。
たしか兎の耳をしている……とか言ってたな。
公真
「…………?」
向こうから見覚えのある子供が走ってきた。
たしか寺子屋の生徒の……平太とかいったか。
公真
「よう平太、そんなに走って急ぎの用でもあんのか?」
平太
「うわっ、あん時の兄ちゃん! いつから角が!?」
公真
「……よく見ろ。これは俺の角じゃない。鬼を負ぶってるだけだ」
平太
「あ……本当だ」
鬼を見ても驚かないのか……
この際だ。平太に優曇華とやらが何処に居るのか訊いてみよう。
公真
「平太。この里に優曇華って兎の耳をした薬売りが来ているらしいんだが……何処に居るか知らないか?」
平太
「兎の耳をした薬売り……ならそこの角を曲がった所に立ってるよ」
公真
「そうか、ありがとな」
平太
「うん、じゃあな兄ちゃん!」
平太は大急ぎで何処かへ走っていった。
元気な子供だな。俺にもあんな時期があったのだろうか……
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