泥酔「想いに浮かべ、酒の船」

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  咲夜 「そうそう、お嬢様があんたに会いたがっていたわ」 公真 「『お嬢様が』って、たしか咲夜さん俺のことは黙っててくれたんじゃ……」 咲夜 「それがねぇ、最初から気付いていたそうなのよ」 さすが吸血鬼、ただ者ではないな。 公真 「……というかお嬢様は宴会には来てないんですか?」 パチュリー 「レミィは『調べたい事がある』とかで図書館で調べ事よ」 公真 「勤勉なんだな」 パチュリー 「どうせ、ただの気紛れよ」 公真 「気紛れ……ねぇ」 話を聞いても、そのお嬢様とやらがどんな人物なのか想像できない。 とりあえず声は幼かったけど…… 咲夜 「そういえば、まだ『それ』つけてるのね」 『それ』とはこの血の染まった包帯であった。 公真 「あぁ、なんだかんだで外してませんでしたね」 多分怪我も大丈夫だろう。そろそろ外そうか…… 公真 「………………!」 咲夜 「どうかしたの?」 公真 「咲夜さん……一体どんな巻き方したんですか」 咲夜 「どんなって……普通に」 公真 「……取れないんですけど、この包帯」 咲夜 「あなたは包帯の取り方も知らないの? ……ほら、上着脱いで」 公真 「……はい」 咲夜 「はぁ……何が悲しくて自分で巻いた包帯を自分で外さなきゃならないのよ」 日が暮れているとはいえ、夏真っ盛りなだけに上着を脱いでも若干暑い。 咲夜 「あら……本当に取れないわ、この包帯」 ……この包帯巻いたの咲夜さんでしたよね……?  
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