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………数時間後………
アビィ
「痛っ……」
茂みの方の掃除を担当したアビィは掃除中に余所見をしていると、不注意で転んで腕に怪我を負ってしまった。
アビィ
(どうしようかな……一回館に戻って見てもらうかな……)
腕の怪我をどうしようか悩んでいると、向こうから誰かが茂みをガサガサと掻き分けてアビィの元へと近づいた。
アビィはその物音に気付いたが、臆病だからかその人影を見ようとはせずに、ずっと後ろを向いて硬直していた。
公真
「アビィ? 居るのか?」
その人影の正体は公真だった。
アビィ
「ひっ、人違いです……」
人影の正体に気付いていないアビィは、思わず人違いだと言ってしまう。
公真
「よしアビィだな。探したぞ?」
冗談に慣れていた公真は、人違い発言を軽く受け流してアビィの目の前に立った。
アビィ
「あ……先輩でしたか。取って食べられるかと思いましたよ……」
人影の正体が公真だと知ったアビィは警戒心を解いた。
公真
「妖精食べるほど俺は飢えてないっての」
アビィ
「うぅ……それでこんな茂みにまでどうしたんですか?」
公真
「今日はもう休んでいいってことを伝えに……」
その時、公真はアビィが腕に怪我をしているのを見つけた。
公真
「アビィお前……左腕怪我してるじゃねえか。どうした?」
アビィ
「え、これはさっき転んで……」
公真
「あぁ……こりゃ痛そうだな。ちょっと待ってろ」
アビィ
「?」
公真は館の近くに湖があったのを思い出した。
公真
「……傷口洗いに行くぞ」
アビィ
「は、はい!」
公真はアビィを連れて霧の湖へと向かった。
これは余談だが、公真は門を通る際に、寝ている門番の鼻と口を塞いで遊んでいた。

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