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少年とおじいちゃんが
ついたのは、川だった。
さっきまでの森の中とは
違い、光が差し込み、
ひらけていて、開放感が
ある場所だ。
「足をかしてみなさい。」
そう言うおじいちゃんの
言葉を素直に聞く少年。
おじいちゃんは、川の水を
少年の傷にかける。
「いっ…痛っ…」
「もう少し我慢しなさい…。」
そういうと、近くにあった
フィナの葉を、目を閉じて
感謝をしながらとり、
少年の傷の上にかぶせる。
そして、最後に
おじいちゃんが首にまいていた
タオルで、キュッとしばった。
「これでよし…。」
そう言うと、おじいちゃんは
「少し休憩するか…」
と言い、座りこんだ。
少年は、フィナの葉が、
傷を優しく包み、
その優しさと対照的な
冷たさが、傷の痛みを
治してくれるような
気がした。
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