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火の守り神、エリフは
怒りを隠せない。
「火を使いたいだけ使い、
時には悪いことに
火を使う…。」
そこで一息おくと、
「人間には、罰を与えるべきだ!」
と、叫んだ。
部屋に一瞬響いたかと
思うと、それは
雲にスッと吸収された。
土の守り神、ルイスは
「でもなぁ…。
しっかりと自然を尊び、
自然と共に生きている者も
おるしのぉ…。」
と、エリフをなだめる。
「ほら…あの子なんか
火が消えたから涙
を流しているわ。」
草の守り神の
ファエルも言う。
ロウソクに灯った火を
何に使うこともなく、香り
を嗅ぐわけでもなく、
ただジッとその少女は見ていた。
目はキラキラと輝き、
生き生きとしていた。
が、短かったロウソクは
徐々に光を失い、完全に
光が消えたときには
少女の目からも光が消えていた。
そして、再び光ったかと
思えば、涙がこぼれていた。
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